音楽の豆知識

音楽の豆知識や音楽クイズも掲載

音楽のへやmuoomでは、インスタグラムやブログで音楽の豆知識や音楽クイズを掲載しています。
メルマガとは違い、気軽に無料で見て読んで学ぶことができます。
こちらの制作を担当してくれているのは、オンライン講師である声楽家の森裕加里先生です。
森裕加里先生はイタリア在住です。現地で音楽活動をされていますが、オンランでも声楽のレッスンを担当してくれています。
オンラインレッスンだからこそ実現した先生のレッスンはとても人気のレッスンです。
イタリアで活躍するプロの声楽家である、森由香里ならではの観点からいろいろな情報を発信してくれています。

劇場が教えてくれる事

今回は、「劇場が教えてくれる事。」というテーマで森裕加里先生がブログを書いてくれました。
イタリア在住だからこその観点・また声楽家という目線からお話してくれています。
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最近ありがたいことに、毎日劇場で練習させて頂いておりますが…

劇場で歌うと、声のラインが目で見えます。

まるで、野球の玉がホームランなのか、ゴロなのか、玉を目で追いかけられるように、声を目で追いかけることができます。

劇場で毎日練習できるということは、毎日レッスンに通っているのと同じようなことだな、と感じました。

自分の耳で自分の声を判断できる環境というのは、自分で自分を教えているようなもの。

毎日レッスンに通っているような感覚です。

とにかく、最高の環境を手に入れてしまいました!(笑)

師匠の役割は耳だと思っていて、とにかく耳の良い人に聞いてもらうことが全て。

今出した声がいい声なのか、悪い声なのか、その時の自分の感覚と、人からの判断のデータを蓄積していくことがレッスン。
でも飛ばない声は聞こえない声。
劇場のお客さん、一番後ろの席まで届かないような声なら、それはもう良し悪しを判断する段階ではありません。

聞こえない声は、音色が良い悪いを判断する段階にすら立てていないのです。
「ボツ声」とでも表現すればいいのでしょうか?

とにかく劇場では使えない声だということです。
それは、誰がどう考えても、明らかです。

けれど狭い部屋で歌っていると、飛ぶか飛ばないか?ではなく、自分の耳で聞こえる音が美しいか、美しくないか?で判断してしまう。
(因みに、自分の耳は内耳で音を聞いているので、あてにはできません。(笑))

ボツ声は、劇場で声を出せば落ちるので、一発で「これはボツ声だ!」と自分で分かるのですが、狭い部屋ではそのボツ声を何とかこねくり回して、美しい音にしているような錯覚に陥ってしまい、結局何がいいのか、分からなくなってしまうのです。

その判断のために、レッスンが必要で、その判断のために、師匠に頼っているのです。

けれど劇場でボツ声を出すと、遠くまで飛ばず、自分のすぐ下に声が落ちてしまう。
まるでホームランではなく、ゴロの時のように。

常にホームランの声を出し続ける。
それを意識すればいいだけ。

Pで、柔らかいのに遠くまで飛ぶ、というのが難しいと感じていたけれど、ホールで声が目に見える時には、それすらも、かなり正確に把握しやすいのです。

そして日本の劇場だと、どんなに広くても、ものすごく反響が良くて、それこそボツ声でも一番後ろの席まで簡単に届いてしまうホールも多いけれど、こちらの劇場はそこまで反響が強くないので、駄目な声は、本当にすぐに、客席に落ちてしまいます。

劇場が、私を導いてくれる。

あるピアニストの知り合いが、師匠が亡くなった後、形見のピアノを受け継いだのですが、「師匠が死んでも、このピアノが僕に沢山のことを教えてくれる。」と話していました。
ピアノが、音で、自分の弾き方の良し悪しを教えてくれる、と言っていました。

不思議なこともあるものだなぁ、とその時は聞いていましたが、まさに今!心の底から、彼が言いたかったことが理解できたような気がしています。

劇場が、私にレッスンしてくれているような感覚なのです。

楽器が、人を育てることがあるように、

劇場が、歌手を育てる。

人間では無いモノや、
場所が、
人を育てることもあるんだなぁ、と
不思議で有り難い気分です。

大切に愛されてきた楽器、
人々が守り抜いてきた劇場、
このような伝統が残っている歴史に感謝ですね。

「1回の本番は、100回の練習に勝る。」

とよく言われたりもしますが、それはホールで出す歌声が百回の練習に勝る程の、いい経験になる、という意味だけではなく、緊張感の中で、メンタルを整え、どれだけの実力が発揮できるか?や、本番に向けて自分のモチベーションを最高潮に達するように計画立てる練習、などということも関係しています。

だから、一回の劇場での練習が、家の練習の百回分の価値がある、とは思いません。

ただ、そうは言っても、実際の劇場で歌うということが、どれだけ私の身になっているか?ということを強く痛感している日々です。

「劇場での練習は、家での練習以上の価値がある。」

これは間違いないな、と確信しています。

家の練習では見えなかった事が、見えてきます。

皆さんも、たまには劇場(もし難しい場合は、山でやまびこを見てみる、とか…(笑)とにかく出来るだけ広い空間)での練習をしてみてはいかがでしょうか?

いつもと違う感覚で、自分の音と向き合えると思います(*^^*)

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